歯周病と体の病気の関係
公開日:2024/11/08 更新日:2024/11/13
歯周病は、お口の中の病気です。
しかし、お口だけでなく全身の健康にも影響を与える
ということが長年の研究でわかりました。
歯周病はとても怖い病気です。
特に関連が強いとされてるいくつかの病気でも
歯周病菌の果たす役割は違います。
歯周病菌自体が直接的に悪さをすることもあれば
歯周病菌が起こす炎症が引き金となって
全身の病気に拡大することもあります。
そこで歯周病と体の病気について、
よくある質問をまとめました。
Q、歯周病は体にも影響しますか?
最近テレビで聞いたことがあります。
どんな病気に関係がありますか?
A、歯周病は、多数の体の病気との関連性が
長年研究されています。
現在、特に関連性が高いと考えられているのは
①動脈硬化とそれにともなう
脳梗塞・心筋梗塞
②糖尿病
③誤嚥性肺炎
④早産・低体重児出産
☆日本人の死因の内訳
厚生労働省の統計によると以下のグラフのとおりです。
このうち心疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎には
進行した歯周病の関与が考えられます。
Q、脳梗塞や心筋梗塞に影響するということは、
脳や心臓に歯周病が入り込んで悪さをするのですか?
A、進行した歯周病は、炎症を起こした歯ぐきから
たくさんの歯周病菌が血管に入り込みます。
それを体の白血球が食べます。
食べた後は、死骸となってその場に残ります。
それが血流を阻害して脳梗塞や心筋梗塞の原因となり得る
と考えられています。
Q、歯周病は、糖尿病にも影響するようですが
どうして、お口の病気が糖尿病に関わるのでしょうか?
A、歯周病になった歯ぐきは炎症が起こっています。
進行した歯周病の場合、
そこから炎症性物質が体に入り込み
血糖値を低下させるインスリンの働きの邪魔をします。
そのため糖尿病が悪化するといわれています。
糖尿病が悪化すると歯周病がさらに悪化するので
放置すると負のスパイラルになってしまいます。
☆歯周病治療で糖尿病も改善!
糖尿病は、歯周病が改善すると
糖尿病も改善することがわかっています。
歯周病治療により歯ぐきの炎症が治まると、
炎症性物質も生じなくなります。
するとインスリンへの影響もなくなり
インスリンが働いて血糖を下げられるようになり、
結果的に糖尿病も改善するということです。
Q、歯周病菌は誤嚥性肺炎にも関係します。
肺炎は細菌が原因なのでしょうか?
A、誤嚥性肺炎は、
歯周病を含めたお口の細菌が関係すると考えられています。
歯周病になってお口の中に
細菌が増殖している状態だと
誤って肺に入り込む細菌の量も必然的に多くなります。
Q、歯周病は、おなかの赤ちゃんに影響するのでしょうか?
A、歯周病が胎児に影響を及ぼすと考えられています。
タバコやアルコール、膣炎など産科器官の感染症、
高齢出産などが早産、低体重出産に関わることは知られていますが
歯周病も一因になると考えられています。
そのうちの2パターンをあげてみると
①歯周病の炎症が出産を促す
進行した歯周病による炎症が
体内の炎症性物質の増加を促し、
それが子宮の筋肉の収縮を招いて
早産を引き起こすと考えられています。
②歯周病菌が子宮の内部に感染する
血液中に入り込んだ歯周病菌が
羊水や羊膜などに達し、
感染がおこります。
その結果、早産や胎児の発育不全を
引き起こす可能性が考えられています。
Q、歯周病菌が体内で悪さをするのを防ぐ方法はありますか?
A、歯周病になっている自覚があるなら、
早急に歯科治療を受診しましょう。
定期健診などのメンテナンスで
お口を健康で清潔に保ちましょう。
歯周病は、進行するとお口の中だけでなく
体にも影響を及ぼします。
しかも歯周病は痛みがなく進行しますので、
気がついたときには、重度になっていることもあります。
少なくとも半年に一度は、定期検診を受診しましょう。
歯周病の検査や歯石の除去などの
プロフェッショナルケアをしてもらい
健康なお口と、体を保ちましょう。