歯周病と体の病気の関係

歯周病は、お口の中の病気です。

しかし、お口だけでなく全身の健康にも影響を与える

ということが長年の研究でわかりました。

歯周病はとても怖い病気です。

 

特に関連が強いとされてるいくつかの病気でも

歯周病菌の果たす役割は違います。

 

歯周病菌自体が直接的に悪さをすることもあれば

歯周病菌が起こす炎症が引き金となって

全身の病気に拡大することもあります。

 

そこで歯周病と体の病気について、

よくある質問をまとめました。

 

 

 

Q、歯周病は体にも影響しますか?

最近テレビで聞いたことがあります。

どんな病気に関係がありますか?

 

A、歯周病は、多数の体の病気との関連性が

長年研究されています。

現在、特に関連性が高いと考えられているのは

 

①動脈硬化とそれにともなう

脳梗塞・心筋梗塞

②糖尿病

③誤嚥性肺炎

④早産・低体重児出産

 

 

 

 

☆日本人の死因の内訳

厚生労働省の統計によると以下のグラフのとおりです。

このうち心疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎には

進行した歯周病の関与が考えられます。

 

 

 

Q、脳梗塞や心筋梗塞に影響するということは、

脳や心臓に歯周病が入り込んで悪さをするのですか?

 

A、進行した歯周病は、炎症を起こした歯ぐきから

たくさんの歯周病菌が血管に入り込みます。

それを体の白血球が食べます。

食べた後は、死骸となってその場に残ります。

それが血流を阻害して脳梗塞や心筋梗塞の原因となり得る

と考えられています。

 

 

 

 

 

Q、歯周病は、糖尿病にも影響するようですが

どうして、お口の病気が糖尿病に関わるのでしょうか?

 

A、歯周病になった歯ぐきは炎症が起こっています。

進行した歯周病の場合、

そこから炎症性物質が体に入り込み

血糖値を低下させるインスリンの働きの邪魔をします。

そのため糖尿病が悪化するといわれています。

 

糖尿病が悪化すると歯周病がさらに悪化するので

放置すると負のスパイラルになってしまいます。

 

 

 

☆歯周病治療で糖尿病も改善!

糖尿病は、歯周病が改善すると

糖尿病も改善することがわかっています。

 

歯周病治療により歯ぐきの炎症が治まると、

炎症性物質も生じなくなります。

 

するとインスリンへの影響もなくなり

インスリンが働いて血糖を下げられるようになり、

結果的に糖尿病も改善するということです。

 

 

 

 

 

Q、歯周病菌は誤嚥性肺炎にも関係します。

肺炎は細菌が原因なのでしょうか?

 

A、誤嚥性肺炎は、

歯周病を含めたお口の細菌が関係すると考えられています。

歯周病になってお口の中に

細菌が増殖している状態だと

誤って肺に入り込む細菌の量も必然的に多くなります。

 

 

 

 

 

Q、歯周病は、おなかの赤ちゃんに影響するのでしょうか?

 

A、歯周病が胎児に影響を及ぼすと考えられています。

タバコやアルコール、膣炎など産科器官の感染症、

高齢出産などが早産、低体重出産に関わることは知られていますが

歯周病も一因になると考えられています。

 

そのうちの2パターンをあげてみると

①歯周病の炎症が出産を促す

進行した歯周病による炎症が

体内の炎症性物質の増加を促し、

それが子宮の筋肉の収縮を招いて

早産を引き起こすと考えられています。

 

②歯周病菌が子宮の内部に感染する

血液中に入り込んだ歯周病菌が

羊水や羊膜などに達し、

感染がおこります。

その結果、早産や胎児の発育不全を

引き起こす可能性が考えられています。

 

 

 

 

Q、歯周病菌が体内で悪さをするのを防ぐ方法はありますか?

 

A、歯周病になっている自覚があるなら、

早急に歯科治療を受診しましょう。

定期健診などのメンテナンスで

お口を健康で清潔に保ちましょう。

 

歯周病は、進行するとお口の中だけでなく

体にも影響を及ぼします。

しかも歯周病は痛みがなく進行しますので、

気がついたときには、重度になっていることもあります。

 

少なくとも半年に一度は、定期検診を受診しましょう。

歯周病の検査や歯石の除去などの

プロフェッショナルケアをしてもらい

健康なお口と、体を保ちましょう。