歯周病が体にも影響する!!
公開日:2022/06/13 更新日:2022/09/21
ここ数年、
「歯周病が体の病気に関係する」
ということを耳にすることが多くなりました。
歯周病が全身の健康に影響を及ぼすということは、
長年研究されてきました。
これまでの研究結果で分かった、
関連性の高い病気を4つあげていきます。
①動脈硬化とそれにともなう脳梗塞・心筋梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まっておこります。
心筋梗塞は心臓の血管が詰まっておこります。
これと似たようなことが歯周病でも
起こり得ると考えられています。
進行した歯周病は、
炎症をおこした歯ぐきから
たくさんの歯周病菌が血管に入り込みます。
それを体の白血球が食べ、
その死骸が血流を阻害して、
脳梗塞や心筋梗塞の原因になる。
と考えられています。
②糖尿病
糖尿病は、すい臓から分泌される
インスリンの働きが悪くなり、
血糖値が慢性的に高いままになってしまう病気です。
インスリンの働きが悪くなる理由は2つあります。
・膵臓の機能が低下し、十分な量のインスリンが分泌されなくなる。
・インスリンは十分な量が分泌されているが、
糖の取り込みを促す力が弱くなる。
歯周病になった歯ぐきは、炎症がおこっています。
進行した歯周病の場合、
そこから炎症性物質が体に入り込み
血糖値を低下させるインスリンの働きを邪魔します。
そのため糖尿病が悪化する。
と考えられています。
ちなみに、糖尿病が悪化すると
さらに歯周病も悪化するので、
放置すると負のスパイラルになってしまいます。
③誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は、
胃に入るはずの食物や唾液が、
誤って気管から肺に入ってしまうことが原因です。
肺に入った食物や唾液に含まれている
細菌やウイルスが繫殖し肺炎をおこします。
歯周病でお口の中の細菌が多いほど、
誤嚥性肺炎になりやすくなります。
「専門家による口腔ケアで高齢者の誤嚥性肺炎が減った」
という結果が出ています。
お口の中の細菌の量を減らすことが
誤嚥性肺炎の予防につながります。
④早産・低体重児出産
進行した歯周病による炎症が、
体内の炎症性物質の増加を促し
それが子宮の筋肉の収縮をひきおこします。
その結果、赤ちゃんが押し出されて
予定より早く生まれてしまいます。
また、歯周病菌が子宮内部に感染して
早産を促す可能性もあります。
今回は、歯周病と関連性が高い病気を
4つあげましたが、他にもいくつかあります。
歯周病になっている方は、早めに治療しましょう。
しかし歯周病は、ご自身では気がつきにくい病気です。
気がついた時には、かなり進行していて
重度の歯周病になっていることもあります。
やはり定期健診が大事になってきます。
少なくとも半年に1回は、
定期健診でメンテナンスをして
お口を清潔に保ちましょう。